春の海辺には、いろいろな季語が詠まれています。
雁帰る、若布刈り、磯菜摘む、磯遊び、などなどです。
雁帰るは、冬を過ごした雁が北へ帰る様子を詠みます。
行く雁、名残り雁などとも、また、春になっても帰らずに残っているのは、春の雁、残る雁と詠みます。
・川沿いを海の空へと雁帰る 大崎紀夫
・西吹いてかすみの空に雁帰る 静岩
磯辺には、磯菜摘む、磯遊び、若布刈、などなどが詠まれています。
磯菜摘む、海水の温度も上がってきたころに磯に出ていろいろな海藻を摘む様子です。
磯遊び、春の大潮のころ、潮が引いた磯に出て、貝を拾ったり海藻を摘んだりして遊ぶことを詠みます。
・潮の中和布を刈る鎌の行くが見ゆ 高浜虚子
・波白くなりて寒しや磯遊び 福田蓼汀
若布刈、若布を刈り取る様子です。長い竹の竿に鎌を付けて刈り取ります。
若布干す、刈り取った若布の天日に干すこと
若布を和布と書くこともあります。